2014.07.08UP   STAFF
HISASHI WEBインタビュー
7月9日発売の20th Anniversary 50th Single「BLEEZE〜G4・III」。各メンバーによる楽曲解説第3弾はHISASHI。「黒く塗れ!」に込められた意味は?

★「黒く塗れ!」について
■HISASHI
俺は…すごく面倒くさいことが苦手なんですよね。人間関係、経済的関係、その他もろもろ、普段生活している上で、そういうことはまあ大なり小なり生まれてくるんですが、そういったことを一度真っ黒に塗りつぶしたいなと。今までのことは全部なかったことにする。明日からはまた新しい世界が始まる…ぐらいに思ってもいいんじゃないかと。ある意味でロック・ミュージックの代表的フレーズである"Paint It Black"が、今ものすごく自分に近いところにある気がするんですよ。サウンドから呼ばれたフレーズではあるんですが、作曲とほぼ同時に歌詞も書き上げてしまいましたね。


今回の楽曲はかなりHISASHIさんの味をアグレッシヴに固めて出している気がしますね。


■HISASHIそうです。いろいろこれまでやってきて、その結果「もう何でもいいんだな」と思った(笑)。それで出てきたのが「黒く塗れ」ですよ。


"Paint It Black"と歌ったザ・ローリング・ストーンズは関与していないんですか?


■HISASHI自分の根底には流れていないんですが、でもストーンズが持っているヴァイタリティとかレジェンド感とかは今年の来日時に影響していると思う。GLAYはまだたかだかデビュー20周年でストーンズの半分にも満たないですけど、やり続けるということに関しては刺激を受けて、フレーズをお借りしました。


サビ転調の部分もすんなり出てきて、そのまま形にしたという感じですか?


■HISASHIいや、けっこうサビのキーに合わせると、A&Bメロ部分が低くなったりして、かなり強引な転調だったんですけどね。1回亀田さんに相談してアレンジしていただきました。選曲の段階から亀田さん的にこの曲はかなりツボだったみたいです。


HISASHI的世界を直球にして投げたというところがよかったんですかね?


■HISASHIやっぱり、それにかなうものはないんじゃないかと。お伺いを立てて綺麗に仕上げるよりも、気持ちがいいです。没になったにせよ、採用されたにせよ、ね。去年のツアー前からいろいろ曲を作っていたんですが、自分の言いたいこと、やりたいことをやろうとするとすんなり言葉やメロディになって出てくるんだなと思いました。

★20周年について
■HISASHI濃かった時期は、98年99年と、2005年〜06年くらいかな。まず日本のショウビズに飲み込まれたGLAY(笑)。「頼むからギターを弾かせてくれ」と願った夜が90年代の終わりにあり、メディアにどれほど出ていてもツアーはやりたいと思っていたから、尋常ではない忙しさで日々を送っていた。作品作りにも影響が出ていたと思うけど、とりあえず瞬発力はあったのかな? 今となってはそう思う。名古屋ライブの後に東京に戻って、朝を待って撮影開始とか、そういう行程で。1日が終わってない(笑)。それが99年ぐらいまでで。05年あたりは、表向きは独立だけど、そんなに意気揚々とした感じでもなくて、毎晩メンバーと喧嘩をしながら苦い酒を飲んでましたね。GLAYのウィーク・ポイントがいい意味でも悪い意味でも露呈しましたね(笑)。06年の武道館ライブは鮮明に記憶に残ってますね。

★EXPOについて
■HISASHI EXPOの記者会見でも明らかになったように(笑)、GLAYの中でただ一人、俺だけが東北出身ですからね。青森の弘前市から最終的には下北半島の陸奥市まで行きましたからね。


そもそもEXPOという命名をする提案もHISASHIさんからあったわけじゃない?


■HISASHIそう。HISASHI少年が宇宙博(※)を見てGLAYのイベントをEXPOというネーミングにしようというね。宇宙博のみなぎるエネルギーに感化されてしまったわけで。それが、ずっと続いています。だから、今回は東北の地にみんなの力を結集させようと。言わば、EXPOはエネルギーの源ですね。みんなそれぞれの思いを東北の地に残してくれればいいなと思いますね。"集まる"ということはすごいことですよね。HISASHI少年、東北に恩返しができるチャンスだと思ってます(笑)。
※永らくEXPOのネーミングの由来はつくば科学博だと思われていたが、GLAY MOBILE MAGAZINE(2013年1月23日号)のインタビュー中に宇宙科学博であることが明らかになった。

■GLAY EXPO 2014 TOHOKUの詳細はコチラ

<Review>
ピッチ・モジュレータを使ったHISASHIの記名的なギター・サウンドは過去に数あれど、ここまで"それが似合う楽曲"はなかったのではないだろうか? 曲のタイトルはもとよりリリック中に登場する"Let's spend the night together"は、ザ・ローリング・ストーンズが使用したフレーズであるし、同じくリリック中に登場する"汚れちまった悲しみ"は中原中也(詩人)が編み出したワードである。ネガティヴィティ=否定性を充満させたサウンド&リリックでありながら、それがどこか清々しく胸がすくような気分をもたらしてくれるのは、当然のことながら、HISASHIの楽曲とGLAYのパフォーマンスが"幻想としての今の真ん中"を射抜いているからである。ヴォーカロイドを使ったかのように聞こえる後半のラップ≒モノローグ・セクションも、楽曲にわかりやすい鋭敏さを与えている。誤解を恐れずに言うならば「時代がHISASHIに追いついた」のであろうと思う。

インタビュー&レビュー:佐伯明



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